夫婦の問題解決ができなくなる訳 

正しく状況が判断できれば、かなりの確率で夫婦の関係は再建することが出来ます。しかし、多くのケースでは本当に起こっていることに目が曇る仕組みが沢山見つかります。それらの代表的なものを挙げてみます。

科学的な思考

現代人は「同じ前提が与えられれば、同じ結果が出る」という考えを信仰のように強くもっています。しかしそれは自然科学の考え方です。つまり「物」を扱う場合の考え方です。

人間を含む生物の行動パターンの決定原理は異なります。因果よりも、環境への「適応」と考えた方がいろいろな現象を上手く説明できます。

相手は、あなたの行動パターンに適応したからいまの行動パターンをとっているという側面が強くあります。逆を考えたら理解されると思います。あなたがいまのように行動せざるを得ないのは相手が「そう」行動するからですよね?

論理(善悪)への依存

人間が論理で動くと思ったら大間違いです。そう見える部分も確かにありますが、根本的な部分は論理ではありません。論理にしたがっているとしても、その論理を受け入れた「心の動き」があったはずです。

トラブルになっているご夫婦の中で最もよく使われる論理が「善悪」です。相手を論場できたら問題が解決するというスタンスでいる限り本当の問題は見えてきませんし、その結果問題は解決しません。

個人の未解決な問題

カップルカウンセリングがうまくいかない場合によくあることは、カウンセリングを通じて、何がうまくいっていないのか、どうすればうまくいくのかということを

  1. 頭では理解できるが、そう行動はできない(したくない)
  2. まったく理解できない

の2つです。

これらは、メカニズムは異なりますが、その人自身の個人的なメカニズムによる場合が多いようです。残念なことに、こういった場合、「そういう性格だから治らない」などと決めつけられてしまうことが多いのです。

本当のところは、その人がそう行動する(夫婦関係を壊すように行動するとか、前述のように「頭では理解できるが理解したように行動できない」とか「理解できない」)のは、その人の無意識レベルも含めれば合理的なのです。厄介なことは無意識は自分にも分らない意識ですから、通常は自分でもなぜそのようにふるまうのかがわからないのです。ましてや他人にはわかりませんが、通常ひとは、自分が安心するために「理由」をつけたくなりますから、何らかの理由、(たとえば「その人の性格がねじ曲がっているからだ」など)を付けます。(脚注1)

ですから、そもそも無意識も含めて、何がどうなっているのかに気づく(つまり、無意識のうち今の問題に直接関係する部分を意識化する)ことで、全体的な調整が取れるようになるのです。それをするのがカウンセリング(心理療法)です。

よくたとえに出すのは、こういうことです。

ある人が、隣の人に膝を軽く叩かれたとします。 通常、あまり問題にならない行動です。これで激怒する人がいたら、ちょっと変な人と思われるかもしれません。

 しかし、もし叩かれた人が転んだばかりで、まだ血が流れているような状況ならどうでしょう。 その人が、激怒しても不思議はありません。

体の傷は、本人も他人にも分ります。しかし、心の傷は他人にはもちろん見えませんし、本人にも分ってないことが(分かっていても本質を誤解していることが)少なくないのです。で、本人にも分らないとすれば、傷だと意識しないわけですから、何もしないので治りません。そしてずっとそういう状態ですから、(他の人の心の動きはわかりませんから)それ(膝を触られたら激怒すること)が普通のことだと本人も思ってしまうのです。

こうした反応が、意識のレベルでは合理的なことが、その通りに行えないときにありがちなことです。(脚注2)

こうした問題を扱って、機能できるようにするカウンセリング(心理療法)を夫婦同席の場で行うのは、大変意味のあることだと考えれます。

脚注1:ちなみに心理学ではこれを帰属の誤りと呼んでいます。
脚注2:過剰に合理的に行動しようとするのもこうした傷の一つと考えられまs。 
解決できない仕組み
関係の亀裂の改善
上手くいかない理由
チェックポイント1
チェックポイント2
話せばわかる?
夫婦の共感について
情動対称性アプローチ1
情動対称性アプローチ2

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